飛行機のチケットを購入するオフィスは決めている。

以前に一度、長期の滞在の為どうしても予定が読めずに「もうだめだ、キャンセルだ」となってしまった時。
オフィスの若い男の人に「FUKANO さん、前にもチケット買ってもらってるし、、
なんかいい方法ないかな、、、少し融通をきかせるようにしてみます」と、天使のような言葉をもらった。
キャンセル代の2万円を、とりあえずの変更料金に変えてくれて、その期限もずっとずっとオーバーしてくれた。

それ以来、その人が担当でなくても、そのオフィスにお願いする事にしている。


この頃の私が利用しているのは、エールフランス成田発、夜便。
成田を夜に飛び立つこの便は、パリのシャルルドゴール空港がオープンする朝の4時という時間に到着するように
わざわざ遠回りをして 時間を稼いで飛んでゆきます。
普通よりも時間がかかるので、飛行機好きの私でも、「プツッ」と発狂しそうになることがあります。

そしてまた、シャルルドゴール空港での長い長い待ち時間を経て、ようやくモロッコ行きのエールフランスに
乗り換えます。ちなみに、このときはタラップを自分で登って入り口まで行くので、勘違いですがVIPな気分です。
カサブランカに昼間着いてくれるので、電車ですぐにマラケシュまで移動する私には有り難い。


エールフランスは、パーサーもフランス人ならではの、薄くてもみじめ
ではない頭髪がとてもかっこいい。
でも、 (ごめんなさい)食事がまずい。
味にはこだわりのない私が言うのだから、ほんとうにそうなのだと思う。

しかし、しかし、1度だけおいしいお菓子がデザートに出てきました。
ひとくち食べて、「お、おいしい、、!? ・・そ、そんなはずはない、これはエールフランス・・」
と思ったのだが、ふたくち目もおいしい。
上はパリッとした、ケーキの焼き加減、うまい配合のせいか生地にはぎっしり感。
通路の反対側の人が手をつけていないのを見て、「それは美味しいんだよ! 食べないとソンするよ!」と
口には出さないけれど、さらに他のまだ食べていない人をも発見して私は焦る。

もう1個食べたい・・、あの席の人の残ってるお菓子もらおうか・・? と、心の中で思っている時、
私の隣のフランス人のおじさんが 通りかかったパーサーに向かって
「プティ・ガトー、すごいよ。トレヴィアンだよ! もういっこ、ないの?」と言った。
息が止まるかとおもいました。
(もちろん、おかわりなんかありません。)
ただの焼き菓子。だけれども、人生どこでどう変わるかわからない。
たとえエールフランスでも、ひととおり味見をするべし、と強く誓う。



飛行機の移動中はさまざまでおもしろい。
一緒に乗っている人たち全部が家族のような錯覚に陥るのは、私だけでしょうか。

今までで1番最悪な時。
それは、たまたま後ろに座った人(アメリカ又はイギリスの細身の中年男性)が ベロンベロンに酔っ払っていて、
大声の独り言が激しく、なおかつ自前のアルコールをさらに飲んでいるという。
その人はしばらくして、大柄で冷静なパーサーに説得されつつ、しかし理解など当然出来ていないまま、
後ろのほうの小部屋(?)に連れて行かれました。
揉み合いなどになったら、どうしよう。という心配をよそに、その後の飛行機内は
まるで何も無かったかのように穏やか。 さすがパーサー! 飛行機と命を共にし、すばらしい心構え! と心の中で拍手。



それに続き、2 番目に最悪となるか? と身構えたのが、日本のサッカー少年の団体に席を囲まれてしまった時。
背丈は私と変わらない位 の、まだ高校2年、1年だと思われる、ナントカ学園のサッカー部のヨーロッパ渡航帰り。
パリの空港で、一緒の飛行機だとわかった瞬間、「どうか席が離れてくれ」と小さく祈ったにもかかわらず
隣もその隣も、後ろも前も、なんでポツンと私? と思うくらい囲まれてしまいました。
顧問の方には「すみませんねぇ」と言われ、隣のサッカー少年までもが、自ら「スンマセン」と言い頭を下げる。

「オレ、3ユーロも余っちゃったよー」

「オレ、1ユーロ」   (私の心の中 .....>> ひぃ〜、君それはすばらしいよ)

「マネージャーに何か買った?」
「買ったよ、オレ。2個」   (私の心の中 .....>> なんてやさしいのだろうか
、、)
「これさ〜、(カラフルなグミを取り出す)みんながうまいっていうから、買っちった。食べる?」
「やべぇ、上に乗せた荷物、オリーブオイル入ってんだよ、割れないかな」
「う〜ん、下に置いたほうがいんでない?」    (私の心の中 .....>> なんで土産にオリーブオイル、、? ?)
「(前のシートの背にゲーム&画像付き) なんかオレのおかしい・・画面動かない・・」
「(たまには会話に参加してみる私) ポチッ。ほんとだ。なんでだろう」
「(到着1時間前) やった ! 回復したっ ! ・・あの。。(こっちを向き) 回復しました。。これでゲームできる !」
「あの、トイレ行きました?(なぜか敬語で話しかける私) なんかなんか1回も行ってないですよねっ?」
「行きましたよ。居ないときにこっそりと」
(スチュワーデスさん登場)「お食事は何にいたしますか?」
「豚肉」
「豚」
「豚肉ください」(私)

「早くうち帰って寝てぇ〜」
(最後の機内食)「もうチーズはいいよ、、、」  (私の心の中.....>> わたしももういい、、、)


お菓子をうしろに配るという子供っぽさも残るサッカー少年。 意外にも、ものすごく礼儀正しく、
外国にボールを持って行ったという気負いすら無い。というよりも、わざとそれを自慢気にしないように、
いつも以上にくだらない事をしてみせて 気を配っているようだった。
年輩の男性が、外国の事をもの知り顔で話すのとは反対に。

大人よりもさらに一枚大人のサッカー少年たちは、 なんとなく純粋だった昔を思い出してしまい、あらためて
「私の心、くさってる、、、?、、」と、悲しく反省する出来事となりました。

私が食事を終えて、テーブルの上のお盆が片付いていないまま、トイレに行きたいなぁーとソワソワしていると
すばやくそれを察知して、テーブルの上に残っていた私の汚いお盆を持ち上げて、「あの、、どうぞ、、」と
私が席を立ってトイレへと立ち向かえるようにしてくれた時。
その一瞬の気配り。
最初、空港で見た時に、「大変な迷惑がこっちにふりかかるのじゃ??」と懸念したのを
全身であやまりたいと思った。

しかし。
サッカー少年たちからは、サッカーの「サ」の字も出なかった。いちども。
なぜか、、?
もはやもう、私には青春まっただ中くん達の頭の中はわからない・・
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エールフランス そらの旅  14 MAR 2005
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モロッコと日本の往復。
それは長い長い、空の上で過ごす
時間との闘いです。


---ポール・アンドリュー作
パリのシャルルドゴール空港。


さすが素敵な建築なのね、のはずが、
突如、崩壊という惨事もありました。


この近代的な新しいターミナルよりも、
古〜いターミナルの方
が味があります。
チューブのような筒に包まれた動く歩道は
70年代に想像された2000年の未来の
内装のよう。不思議なレトロ近未来感。

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