SOLEIL du MAROC  Journal //sortir : photo

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1989 -1994 JUN. 2004 ---------------------------------------------------

       
 - -写真展用の装丁本. 1992-1993
          
       1980年代の後半から1990年の中頃まで、たくさんのアーティストが突然亡くなりました。

       N.Yの地下鉄に絵を描いた時が始まりだったキース・ヘリング、
       映画や音楽映像を作っていたデレク・ジャーマン、そして写真家のロバート・メイプルソープ。
       もったいないくらいに次々と才能ある人々がAIDSに侵されて、そして特効薬も無く、AIDSという病名が
       家庭の医学の分厚い本にも載っていなかった頃。


       AIDSという病名が騒がれたのは、最初はアメリカの映画俳優が亡くなった時です。
       聞き慣れないカタカナの病名にピンと来ず、その後、ロックバンド、クイーンのボーカルが亡くなった時に
       ようやくAIDSとは、ゲイとは、本当のところは何なのだ? と思った記憶が蘇ります。

 
      今でこそAIDSはゲイだけの病気では無くなり、さらに自分がゲイであるという事を、HIV感染者であることまでも
       明るく奔放に語って「やりたい事をやった末にAIDSで死ぬんだったらOKさ!」と言う人も時々出て来て、
       時代はどんどん変化していくのだなぁと思いました。


       モロッコはリゾート地なので、ここに居る時もなぜか多くのゲイの人々に出会います。
       ヨーロッパから独りで来る人、アメリカから来る2人組みの人々、そしてマラケシュに家を持っている人々など。

       隣に居る私の友人を誘っていて、友人が返事に困惑していたと思ったら、もう次の瞬間には靴みがきの仕事に来た青年に
       声をかけたりしています。( 友人は気のせいか自分が負けたようにガッカリ気味)。


       1980年代は今のようにゲイの存在は理解されていなかったので、社会的な立場はとても辛いものがあり、
       それに対するアーティストの苦悩と葛藤の末に出来上がる作品は、緊張感と意志が強く現れていました。

       上の写真はロバート・メイプルソープが亡くなった3年後の1992年に、東京庭園美術館で開かれた写真展の時の
       カタログです。AIDSに侵されて衰弱していくと、今までのように人物を撮る事が体力的に出来なくなり、
       人から花へ被写体を移行していきました。死と対面している本人の極限の思いが、花にそのまま写し出されています。
       それは、この世に対する未練も感じます。

       庭園美術館みたいな高級感のあるスペースがどうしてメイプルソープの写真展を開催したのか、
       詳しい事はわかりませんが、やはり日本側の規制はあり、展示内容も難しかったようです。
       それでも写真展がこのような場所で開催されたのは、誰でも納得させられる特別な才能があったのでしょう。
       彼は生前から財団を作り、AIDS新薬の開発や写真の保護などのために活かす事も始めました。


        メイプルソープのHPはこちらです。彼の美しく緊張感のある写真も見ることができます。

        http://www.mapplethorrpe.org/


       デレク・ジャーマンはメイプルソープよりも、少し後で亡くなりました。
       イギリスの有名なパンク・バンド、ザ・スミスというグループの音楽VIDEOなどを手掛けた事は、今ではあまり
       
知られていない小さい出来事ですが、映画よりも短いVIDEOクリップの方が、私にはわかりやすかったのでした。
       映画は
イギリスのアンダーグラウンド風の独特な映像で、やはり美しくて濃い印象です。

       彼は死の直前、「BLUE」という少し変わった映画を発表しました。
       
その画像は最初から最後まで目が醒めるようなブルーだけ。 音楽と、彼自身の朗読が流れます。
       彼は
自分の映画について、「見る人が物語りを自分で見い出すようにしたい」と語っています。

        こちらで一部の映像を見る事が出来ます。 残念ですが「ラスト・オブ・イングランド」は終了しています

        http://www.nifty.com/cineplex/feature/derek/index.html


       ニューヨークのストリート・アーティストだったキース・ヘリングは、日本でも誰もが知っている絵を描いていますが
       絵とは似つかないヒョロヒョロの、か弱い本人を見ると、みな驚くようです。
       特に、
時々は4メートル位ある大きい絵を実際に見ると、紙面で見るだけではわからない迫力があり、
       
誰もが真似できそうな絵に見えても、実は出来ないものであるという事がよくわかります。
       その場で発揮されるエネルギーの強さが、あのレペルの高いN.Y.でも受け入れられたのかもしれません。

       似たような簡単な絵はたくさん見かけますが、それらとは激しく違う位置にいる絵なのでしょう。
       ちょいちょいっと描いているのに構図なども完璧で、絵も生きていて、何度も何度も見て飽きないのが不思議です。


        生(ナマ)の迫力はありませんが、こちらのページで、色々なアトリエ・ワークを見れます。

        http://www.haring.com/


       アーティストを評価する時に1番頼りになる目線は、美術背景に詳しい人ではなく、
       
もしかしたら色々と困難に逢って、すっかり年季の入った普通の人々かもしれない、と思う事があります。
       それは例えばうちの母がキース・ヘリングの展覧会のときに、あのコミカルな絵柄なのに感動していた、という事実が
       「やっぱりキース・ヘリングは(ああ見えても)ホンモノだったのだろうな」と私が納得する理由となるのです。

       いずれも、感性のとても鋭い男性の作品です。


        



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