
・城壁カスバ、ナツメヤシ、サハラ、白い街、シェルタリングスカイ・
私がモロッコで一番落ち着く色景は、なんとなくこんな暗いオレンジ色。
ぼんやりした夜のマラケシュのメディナ(旧市街)。裏通り。
どんどん人がいなく無くなる迷路のような細い道を、何度も何度も何度も曲がる。
大抵いつも疲れて1人でボンヤリしながら歩いて、ときどき静かに挨拶して、
目をつぶっていても、ちゃんと道のりを体が憶えている。 まちがえたりしない。
早朝の陽が昇る前でも、夜中の2時でも。 昼間よりも暗い時間のほうがいい。
私の騒々しいモロッコの日々の中で、やっと癒される、大事な時間なのだ。
(・・・ が、「 アナタと話がしたいのよっ〜 ! 」と、モロッコの酔っ払い (女性)
に真夜中、
メディナの細〜い迷路を延々と追っかけられたこともある。)
α(アルファ)波の出ている時、人間の記憶力や感性のちからはアップする ! ということです。
音楽を聴くときなどは「でてる、でてる」と時々思います。出てこない曲ももちろんあります。
9年ぶりらしい、坂本龍一のオリジナル・アルバムが出ましたが、彼の曲は
' α波がでる ' そうです。
グッタリしたときに私は明るい曲を聴く気分になれず、
棚の奥の方に眠っている、α波の出そうな音楽をひっぱり出して聴くことが多くなる。
そうやって、また気をひきしめつつ動き出す。
夜、モロッコでひとりで居る時に、遠くから流れてくるモロッコの「静かな曲」を耳にした瞬間、
なつかしいような、寂しいような、どこかで知ってるような気持ちになります。
今の時代のモロッコではなくて、その昔の古いモロッコを体のどこかが記憶してるのでは
? と
思ったりする。
モロッコに知り合いが多くなった今でも、時々ものすごい懐かしさと寂しさが襲ってくる。
日本にいる時には絶対に感じない孤独と寂しさ。
寂しい気持ちを引きずってしまった時は、もう、さっさと寝るしかない。
朝になって陽がさしてくるまで待つ。外が明るくなって仕事に行けばもう寂しくなくなる。
シェルタリング・スカイという映画のサントラでは、最初にアラビア語の語りが流れます。
モロッコに行くと、時々このサントラが頭の中をめぐる。
私がモロッコをあまり知らない頃は、この曲がモロッコの印象でした。
しかしいつもは、がちゃがちゃとうるさいメジャーなアラビア語のポップ音楽と、
人と街の中に居て、
「・・全然くつろげない. . . . 情緒というものは、いづこ. . . ?」となっていて、
サカモト作のシェルタリング・スカイの流れるようなモロッコの情景は
もう私の中にしか存在しないのでは? と思います。
本を書く人でも、音楽を作る人でも、大事なことは「 訴えようとするちから 」みたいです。
格のちがいを見せつけられたと感じる瞬間、それは訴えることの深さの差を痛感したとき。
日々、なにをみつめて考えているか、実はこっそりと色々な状況を適確に把握している、
一歩離れて見れたりもできる、それが生き方のツボなのかもしれない。
そういう人は、 だから深いものが作れるのかもしれないです。
たとえば坂本龍一が今回、韓国のラッパーを起用した理由は
テクニックという摩耶かしではなく、「訴えるエネルギー」ということでした。
昔、美大の予備校に通っていた頃、彫塑(粘土)でリンゴを作る時に、まだ若かりし講師が
机上のたわごとをアレコレ言ってました。
「 リンゴを作るときに大事なのは、この芯なんだ ! 取って付けたように作っちゃダメだぞっ、
大きな枝からこの芯を通って栄養が伝わってきて実が育つ。
そしてリンゴの実は外側に向かって育つから、その、外側に向かっていくチカラというのも
表現しないとなっ 」と。
いろんな場面で、なるほど... 深いことを言ってたなぁ... と思い出します。
サカモト氏の ' undercooled ' は、こちらで少し聴けると思います
α波。どんなぐあいでしょうか ?
http://www.wmg.jp/sakamoto/
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