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α(アルファー) 波の音楽  

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Araky 2004.2 ------------------------------------------------------------

            --アラーキー氏には、赤くて可憐なお花がなぜか似合います。

何年も前に、東京・木場の現代美術館でアラーキー+草間彌生展を見に行ったことを思い出しました。

草間彌生さんは現在、六本木ヒルズのギャラリーで長期の個展を開催しているので、ああー、今でも
あの独特のモノを産み出し続けているのだなぁと考えたら、荒木氏もついでに頭に浮かんだのです。
草間さんの今の個展の題名は、「KUSAMATRIX」。. . . . .とてつもなくぴったりの題名です。
草間さんが産み出す卵たちが溢れるマトリックス。


初めて草間さんの作品を見た時は、生理的にどうも私には合わず、何かにとり憑かれたような人の印象を受け、
この人と会話をしたら、果たしてちゃんと自分の話を聞いてくれるのだろうか? と疑問に感じ、
しかもあのどう見ても排卵されるかに見えてしまう作品郡 . . . . . 、自分とは全く違う感性の持ち主である事は
間違い無いという遠〜い存在でした。お歳もかなりなはずなのに、溢れ出て来るものは今でも全く変わらず
正確なデッサン力や構成力などどうでもいいくらいのつっぱしり方は、 見る人に有無を言わせない
女ならではの強さがある気がします。



反面、草間さんの作品と同時に見た荒木氏(アラーキーさん)の作品は、せつなくてキラキラしていて
男のやさしさと弱さと、全ての人への愛がいっぱい、というもの。
一度にこんなにたくさんのアラーキーさんの生写真を見たのは多分初めてで、しかも今まで
少し馴染めなかった彼の風貌(自分のことを「アタシ」という言動も含めて)や
猥褻で生々しく感じていた写真が、草間さんの濃い作品を見たお陰でとても透き通って見えました。

レンズをとおして写し出されたものとは違う、自分の肉眼で写したようなアラーキーさんの写真。
そこからは、生きているものが感じられます。花でもビルでもすべて。
それは彼の言うところの
「アタシの写真には過去と今と未来が一度に全部写ってるから」ということなんでしょうか?


このメタルグレーの装丁の本、「荒木経惟の写真術」は、いろいろな人との対談が載っています。
ニック・ワップリントンという、とても魅力のある写真家との対談もありますが、
アラーキー氏は彼のように巧みな写真家には、「アンタ隠してないでサ、もっと踏み込んじゃったら?」と
言いたい様子。写真を語ると同時に、またまた猥褻に、そしてちょっと謙虚に人生を語っていきます。

多分アラーキーさんがこのページの私の写真を見たら、「出来上がりの綺麗さなんか考えずに
もっとフッとした一瞬をピッと逃さず、ただ「お花さん!」と思って撮ってもいいじゃん?」と
言うかもしれない。みんなが忘れそうになる、でも実は一番忘れてはいけない気持ちを、
大切に持っていられる人です。


じゃんじゃん遊びまくりながらも、早くに亡くした奥さんを一生忘れられないアラーキーさんの、
やっぱり猥褻な話し(写真論)を追っていくと、
生きている間には、考えつかないくらいのつらい事とかも突然あったりするけど、でも
すべてはあっという間に終わってしまう、まぶしい光のようなものかもしれない、と
思わせてくれるようです。


そして草間彌生さんの恐ろしい個展はこちら
http://www.mori.art.museum/contents/kusamatrix/